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中津峡は武信国境の十文字峠に源を発した中津川が、南天山と白泰山の迫る間を縫い、岩石をけずり深い谷間を形作ります。中双里から谷の最奥の中津川地区までの8kmの間は100mにも及ぶ絶壁が続き、原生林の新緑や紅葉の時期には、奥秩父随一の美観と称賛され、県の名勝地に指定されています。
今回の撮影場所は道の駅「大滝温泉」から約50分、中津峡の最奥地区での撮影でした。途中、荒川の最上流、中津川に建設中の滝沢ダムを横に見ながらループ橋を通りました。滝沢ダムは1965年に予備調査を開始し、1978年に付帯県道工事に着手。本体工事が始まったのは1999年で、完成は2008年の春の予定です。ダムの形式は重力式コンクリートダムで、ダムの高さは140m、総貯水量は6300立方m、湛水面積は1.45平方kmという国内屈指の規模を誇ります。主に荒川の洪水調節、取水、治水を担います。また、滝沢ダムは自然環境の保全・景観に最大に考慮しており、たとえば本体工事に先駆けた国道工事では、2000年10月にダム下に雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)というループ橋を完成させています。この橋は夜になると手すりの部分が蛍のように光るライン照明を採用、昆虫や野鳥への影響を極小化しています。これら自然への配慮と景観美などから雷電廿六木橋は土木学会の賞も受賞しています。
これから滝沢ダムで開発される水は、荒川水系の他のダム群で開発される水や、利根川上流ダム群で開発され利根大堰・武蔵水路を通じて送られる水とともに、秋ヶ瀬取水堰で水道用水として取水され、埼玉県の水は大久保浄水場を、東京都の水は朝霞浄水場を経て、各戸に配水されます。
この様なダム工事をしている関係で大型の工事用車両の通行が多く、渓谷沿いの道幅も狭く安全に気を使いながらの撮影でした。紅葉は見頃でしたが、このあたりは黄色になる葉の木が多く紅色に紅葉した木々は少ない様でした。
奥秩父・中津峡




























雷電廿六木橋